キャンプで焚き火をしていると、炎の色が赤かったり、黄色かったり、時には青く見えたりすることがありますよね。 実はこの色の違いは、燃焼温度や燃えている物質によって変化しているのです。今回は、炎の色と温度の関係を科学的に解説します。
炎の色と温度の関係
炎の色は、燃えている部分の温度と化学反応の状態によって変わります。 一般的に、温度が高いほど青く、低いほど赤くなります。
炎の色 | 温度の目安 | 特徴 |
---|---|---|
赤(暗赤色) | 約500〜800℃ | 炭や薪の表面がくすぶる状態。調理には不向き。 |
橙〜黄色 | 約1,000〜1,200℃ | 焚き火でよく見る色。遠赤外線が多く、暖を取るのに最適。 |
白〜青白 | 約1,300〜1,600℃ | 高温燃焼。ガスバーナーや薪の先端で酸素が十分な部分に見られる。調理効率が高い。 |
青 | 約1,600℃以上 | 完全燃焼に近い状態。プロパンガスやアルコール燃料でよく見られる。 |
なぜ色が変わるのか?
炎は 「黒体放射」と「化学発光」 という2つの現象で色づきます。
- 黒体放射(温度による色の変化) 温度が高いほど短い波長(青色寄り)の光を放ち、低いほど長い波長(赤色寄り)の光を放ちます。
- 化学発光(燃料の成分による色) 例えば、ナトリウムを含む物質は黄色、銅は緑色など、特定の成分が燃えると特有の色が出ます。
薪の種類による炎の色の違い
薪の樹種によっても炎の色や温度が変わります。
- 針葉樹(スギ・マツなど) 樹脂が多く、勢いよく燃えて橙色〜黄色の炎が強い。温度はやや高め。
- 広葉樹(ナラ・カシなど) 火持ちが良く、安定した橙色の炎。熾火(おきび)になってからは赤く落ち着く。
- 桜や梅など果樹系 香りがよく、炎は橙〜白色で美しい。
キャンプで役立つ炎の色活用法
炎の色は焚き火の状態を知る目安になります。
- 黄色や橙色の炎 → 暖を取る・雰囲気を楽しむときに最適。
- 白〜青白の炎 → お湯を早く沸かす、炒め物など高火力調理に向く。
- 赤い熾火 → 弱火調理やパンの保温にぴったり。
まとめ
焚き火の炎の色はただの見た目ではなく、温度や燃焼状態のサインです。 色を見極めることで、調理や暖房の効率を上げ、焚き火の魅力をさらに楽しめます。次回のキャンプでは、ぜひ炎の色にも注目してみてください。
Tip
炎の色を変える「炎色反応」実験も楽しいですが、キャンプで行う場合は安全第一で、食事を作る焚き火とは分けて行いましょう。